規定材(和紙など)
現在の日本画ははほとんどの場合、和紙に描くことが多いと思いますが、絹、綿、麻布、板、土壁などに描く場合もあります。ここでは紙を中心にお話します。
| 1、和紙 |
| 和紙(雲肌麻紙) 名前の通り雲状の模様があるのが特徴です。聞き伝えによりますと、もともと正倉院に収められている紙の多くが麻紙だったようですが、その技法が途絶えていたものを、近代以降の紙漉き職人が復活させたということだそうです。今、日本画で絵を描く場合に、ほとんどの人が、この紙に描いているのではないかと思います。絵の具の紙への食い付きが良く、厚塗にも適した和紙といえます。 |
| 和紙(土佐麻紙) 雲肌麻紙に比べると、表面の雲肌の風合いがなく、感覚的に言うと、フェルトっぽい質感をしています。 |
和紙(鳥の子紙) 特号から4号まで、雁皮を中心に漉いた紙で、麻紙に比べて、つるったした表面が特徴です。号数が大きくなるほど楮、そしてパルプの割合いが増えるそうです。その下にさらに新鳥の子紙があります。こちらはほとんどパルプのようです。僕は墨やペンなどを使って薄塗りの場合は鳥の子を使って、岩絵の具をある程度使う場合は麻紙に描きます。それぞれの風合いがあるので、両方試してみるのがベストだと思います。
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2、絹 正直なところ、まだ、正絹の布に描いたことはありません。一回絹に近いメッシュに描いたことはありますが、ドウサを引いた時に、布が随分収縮したことは覚えています。絹は透けるので裏に下地を作るとか、箔を貼ることで、微妙なニュアンスを作ることができます。 | |
3、綿布 麻に比べて目が細かく、より、使いやすいと思いますが、麻のように丈夫でないので、パネルに袋ばりするよりも、膠で全面を張り込んで描いた方がいいかもしれません。膠でパネルに張り込み、その上からジェッソなどで下地を作ることもできます。その場合、サンドペーパーなどで磨けば、均一なつるつるした表面にもなります。
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4、麻、 麻は油絵のキャンバスのように目の粗いので、細かな情感のある表現には比較的に向いていないようです。 |
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