(富山県魚津市「洞杉」からイメージして)
2012.8.16
(227.7cm×364cm)
F富山県魚津市にあるこの洞杉を訪ねたのが、2009年。
それまで、その存在は、一部の関係者の間では知られていたそうですが、
アクセスの悪さ、一般の人が出入りすることで、山が荒れるなど、
観光化をためらっていたそうです。
それが、一般的になったのが、ちょうどその頃です。(この辺は難しいところです。)
僕も雑誌に出ていた写真を観て、観てみたいとでかけたのが、その頃です。
この杉群を観てまず驚くのが、どの杉も根っこに大きな岩の塊を抱いている点です。
たまたま、調査かなにかに訪れた町の職員に伺ったところ
急斜面にへばりつくように生えている杉が、台風や大雨でその多くが流されてしまったのですが、
岩を根っこに抱いていた樹だけが生き残ったのではないか。とのことでした。
中では、この樹が一番大きな樹なのですが、説明書きには、幹回りが30メートル近くと書いてありました。
といっても、根元から3本に枝分かれしているので、高知の大杉や屋久島の縄文杉のような単木で立っている太い木の迫力とは違います。
が、うねるようなその形状が、生命のエネルギーの凄さを感じさせてくれます。
岩にへばりついているので、当然、土中から水を吸い上げることが難しく
朝、岩の表面に降りた露から水分を補給したのではないか。とも、おしゃっておられました。
そのような樹が、回りに大小120本ほどもあるそうです。
樹と岩が織りなす、自然のパワー、エネルギーを感じる瞬間でした。
そういったものが表現できるか挑戦してみました。
作品は2009年に日展に出品したものをさらに両サイドに広げ、
襖絵をイメージして今夏完成させました。
(日本画家伊東正次の襖絵)
「洞杉図」襖絵 227cm×364cm |
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お寺に納まった想定のイメージ図 |