栃木県鹿沼市の山中に抱かれる過疎の集落にみごとな散椿の巨木があります。
ほとんど、居樹巨木関係の本にも出ていない無名の椿ですが、これが見事の一言なんです。
訪問した日はすでに満開を過ぎたころでしたが、樹冠の直径が10メートルくらいでしょうか
椿の樹に赤と白、ピンクのちどりの花がびっしりと咲き誇ってるだけでも凄いのですが、
さらには、樹の樹冠と同じ大きさの地面に、赤と白の花びらが絨毯を敷き詰めたようにちりばめられています。
家の主に一言挨拶してスケッチをさせていただきましたが、昼寝をしていたところを起こしてしまったのでしょうか、
いかにもめんどくさそうに家の中から「いいよ。」とだけ。3時間程お邪魔しましたが、訪れる人は一人もいませんでした。
そんな見事な椿が、山奥の家が数件しかないような集落のまん中にぽつんと立っているんです。
今回は120号で描いてみましたが、いずれもっと大きな画面に挑戦してみたいそんな気がしています。
一
(2013.6)
(日本画家伊東正次の襖絵)