一月、スケッチする手が固まって動かない。
パレットの水がすぐに凍るので、ほっかいろを下にあてて水を溶かすが、画面に塗ったとたんに水が端から凍り付いて、筆が画面にくっついてしまう。
なんとかすばやく描くがそれでも、画面上でしゃりしゃりと絵の具がだまになってしまう。気温はマイナス7度。
別に寒いのが良くて描いている訳ではないが、寒いと空気も張りつめるが、気持ちも張りつめる。
たまには、こういうのもいいかもしれない。
(日本画家伊東正次の襖絵)