今年の春に訪れた石割桜を再度来訪しました。以前来訪した折に、偶然、巨樹作家として有名な平岡先生にお会いした顛末はブログの方に書きましたが、
(詳しくはこちら をどうぞ)この石割桜については、ほとんどふれませんでした。一言でいうとすばらしい樹です。
たぶん東京近郊にあれば、まちがいなく話題の一本になることでしょう。
ちなみに、地図上で桜の巨樹をおっかけるとわかりますが、茨城から福島、山形の置賜街道にかけては桜の王国といってもいいくらい、素敵な桜の巨木が並びます。
福島と言えば、三春の滝桜が有名ですが、ちょっと車で走れば、いくつもの素敵な桜に出会えます。
こんな樹がこんなところに。と驚くばかりなのですが、そういった有名な巨樹の陰に隠れて、
見過ごされている多くの巨樹(存在感のある樹)の代表がこの樹ではないかと思います。
あえて比較をするなら、古殿にある「越代のさくら」のような存在感のある樹なのですが、
残念な所は、そばに道路を作る時に、片側の大きな樹を伐って、すぐ根本を道路の舗装で埋めてしまっています。
排気ガスと、アスファルトと、切断という三重苦にもめげず、その名の通り、石割り桜として、立派に立っています。
そういうその樹の置かれている状況があまり良くないだけに、「越代のさくら」のような雰囲気には若干欠けますが、
それを差しひいてもすばらしい樹であることには違いありません。
でも、今なら、こんなそばに道を通さないのでしょうけど、この道を造った当時は、あまり巨樹への関心も低かったことと思います。
樹自体を伐採しないで、道を迂回させたことは、本当に助かったという気がします。
ちなみに、「石割り」とは、一見、割っているかどうかは定かではありませんが、根本に大きな岩をかかえこんでいるような感じで、
それらの石の間からかなり窮屈そうに幹を付き出し、そのためかその先で大きく枝を広げている様が、猛々しいというか、存在感を示しているのだと思います。
平岡先生とお会いした時には時間もなく、簡単なスケッチに終わらせたので、またの機会にと思っていましたが、やっと描くことが出きました。
2010.8.1 伊東正次
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