「つながる/つなげる 愛媛ゆかりの芸術家たち」展
 

2010年10月9日(土)〜11月28日(日)

愛媛県美術館本館2階

出品作家

遠藤広実
沖冠岳
天野方壺
長谷川竹友
三輪田俊助
井川惺亮
白岡順
吉峯和美
ケース・オーエンス
伊東正次
佐々木知子
西岡良太
八木良太

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ギャラリートーク終了いたしました。当日は80人以上の方々にお集まりいただき、大変ありがとうございました。
 話は日本画へのこだわりについて、巨樹を描くことについて、僕自身と作品とみなさんとの関わり、愛媛との関わり、その他もろもろ。
 特に、作品は自分自身の自画像であり、逆に、自分自身が、消えてなくなることで、
巨樹や自然が作品を通して、観ている観客一人一人の前に、立ち現れてくることを祈るように描いているという話は矛盾しているようで、わかりにくかったかもしれません。が、
「描くこと」と、「描いたものがどうあるべき」かということは、やはり、別の次元であり、別の領域の出来事のようであると、僕は思っています。
僕はそれが区別できることが、表現する人の一つの条件だとも思っています。

みなさん僕の先生に当たる様なお年の方々を前に、拙い内容で、恐縮しましたが、僕としては、今の思いのたけはすべて話したという充実感もあり、
もちろん、言いよどみ、言い忘れ、言い間違い、だらけだったかもしれませんが、
みなさん最後までご清聴いただき、本当にありがとうございました。

ちなみに、この展覧会は、古くは江戸時代から新しい所では1980年生まれの人たちまで、
ジャンルで言えば江戸狩野派から日本画、油絵、彫刻、写真、インスタレーションと、幅広い時代、さまざまなジャンルを超えて集められた作家の展覧会です。
共通項は「愛媛ゆかり」だけ。
襖絵を観ていたかと思うと、急に巨大な折り鶴のオブジェが現れ、写真があったかと思うと、心象的な空間の抽象絵画が。
禅的な彫刻の隣には、これまた、スーパーなアクリル絵画が。さらにはインスタレーションが。
これだけ、さまざまな時代、ジャンルがあると、自分の作品の立ち位置を見つめる上で、とても勉強になりました。
みんなそれぞれがそれぞれの表現という特性を持ち、そのすぐれている面と、同時に、それぞれが、かかえているある枠組みの中での癖や縛りのようなもの。
それが、双方にあるということが見えてとてもおもしろい内容になっていたように思います。
でも、そういう枠組みを越えてもやはりいいものはいい。というような説得力を持つものもあり、
「自分の作品もそうなりたい。そうあればいい。」と強く感じさせられました。

(2010.10.23)

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 おとといから「つながる つなげる (愛媛ゆかりの芸術家たち)展始まりました。

 当日は朝から雨。久万から松山に向かう途中、何組かのお遍路さんが国道沿いを歩いてゆく姿を見かけました。
雨の中、ひたすら歩く。ことのつらさ、苦しさ、楽しさ、いろいろふくめて、歩くのだろうなと、横目で観ながら通り過ぎました。

会場に9時半頃入り、10時オープニング。終了後ギャラリートーク。白岡さん、吉峯さん、西岡さんと終わって、最後が僕でした。
襖絵を前にして、集まっていただいたみなさんに、まずは、床に敷いた畳に座ってもらいます。
僕は以前から、日本画を展示する展示スペースをそろそろ公共の美術館が考えてもいいのではないかと思っているのですが、
襖絵は基本的には畳の間で鑑賞するものです。鑑賞というよりは、眺めるといったほうが近いと思うのですが、
元々、襖絵自体は鑑賞の対象ではありませんでした。ぶっちゃけ、ただの「まじきり」ですから。
そういう、眺めるような絵をして、そこに「ある」ような絵を描きたいなと思っています。

また、絵は立ってみるのと、座ってみるのと、全然違って見えます。
もし、機会があればそうしてみてください。感じるものが違ってきます。
そんな話をしながら、「樹を描く事」「日本画との関わり」「テーマについて」などなどを語らせていただきました。
ちなみに、話は美術館のIさんとの対談形式で行いました。
Iさんの進行は実に絶妙で、こちらの話の先先をうまく捕らえて、流してくれます。
話題は近すぎてもおもしろくないし、かと言って離れすぎても、聞いている側がついてゆけません。
そのあたり絶妙なタイミングとテーマで話を展開してもらいます。
例えて言えば、絵を引き立てる額のようでもあり、いっしょにダンスをエスコートしてもらう相手のようでもあり、
自分にぴったり息のあった車のようでもあり、うまくドライブさせていただきました。
 さすが、元中学校の先生。しっかり生徒の心をつかんでいた事でしょう。

そうやって、無事ギャラリートークも終了いたしました。
また今度23日には、会場の電気を落として鑑賞するような形でもう一度行いますので、またお出かけください。

(2010.10.9)

この展覧会の詳細は愛媛県美術館のホームページにアクセスしてください。

                                     (日本画家伊東正次の襖絵)

愛媛県美術館のホームページは以下からどうぞ

桜の絵、普段の照明はこんな感じです。
今回ギャラリートークでは、スポットライトを落として、あんどんの光で鑑賞していただきました。襖絵は元来、外の光を照らし出して部屋を明るくするための採光の役割を担っていたと思います。夜は当然、行灯の光の中、その図柄も、ぼーっと浮き出て見えていたことでしょう。そんな光でみなさまにも鑑賞していただきました。箔はもちろんですが、弱い光の中で、胡分が浮き出て、空一面が桜の花でおおわれた様子を感じていただけたことと思います。
実はさりげなく向こうに見えるのが、な、なんとモネの絵。それだけでも、この展覧会に出品した意味はあります。その左にはセザンヌ。モネ先生、セザンヌ先生と同じ空間に私の絵が・・・・。

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