このころは、日本画の顔料の発色がきらいで、やたら、油やら樹脂やら混ぜていました。コンセプトは、「物質感のある水墨画」。
雪舟の水墨画の透明感を物質感のある素材で表現したいと思っていました。
水墨画のみずみずしさは魅力的でしたが、紙と墨のあのなんとも言えず頼り無いような希薄さを、
もっと、肉感的に、物質的に強い表現を求めていたのだと思います。
そのため、目の粗い顔料をポリエステル樹脂を使って、画面にくっつけていました。
そうすると、顔料は自ら発色することなく、透明感のある状態で画面に固着しました。
結構、この透明感のあるマチエールは気にいっていて、長い間使っていました。
今でも、違う表現に応用できるように思います。
萌える |
1987年 |