神代植物公園にて
芍薬もさまざまな種類があって、それぞれの良さがありますが、この白は牡丹とはまた違って、美しい花の色と形をしています。
東京都薬用植物公園にて
東京で唯一芥子の花が見られる場所です。以下はこの時に書いたブログです。
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先週、小平にある薬用植物園に行ってきました。この植物園は観光植物園のような人ごみの賑やかさがなくて、とても落ち着ける植物園で僕は好きです。
特に、この時期はいわゆる法律で栽培が禁止されている芥子の花を近くで見ることができるので
その辺も薬用植物園ならではです。
僕と同じようにスケッチをしている人が4人。一重の柵越しに、並んで描いていました。(普段は二重の柵で仕切られている上に、青い網越しで、なかなか観察できません。)みなさん、それなりにデッサンの心得のある様な方々ばかりで、僕も含めて、作品の参考にするための習作といった感じで丁寧に時間をかけて描いていました。
数時間柵の前に座って、帰り際、一番はずれに陣取ったおじさんの絵が目に留まりました。芥子の花の直径がなんと50センチくらいあります。赤のクレパスでごりごり描いた後、黄色、オレンジ、茶色と大胆にクレパスを動かします。さらに見ていると、真っ赤な芥子の花の回りに、なんと「真っ青」な輪郭線が引かれて行きます。「赤い花の輪郭線が青?」と、一瞬思いましたが、確かに赤の花が緑の葉っぱの中に揺れていると、補色の効果によって、回りに炎のように青白く光って見えるのです。
最初、その表現の奇抜さに首を傾げていた僕も、思わず、「やられた。」「そうだ芥子ってこんな花だよな。」妖し気な芥子の姿を一番的確に捉えていたおじさんに心の中で拍手。
年齢は僕より一回りくらい上でしょうか。麦わら帽子にジーパンスニーカーといった、ラフな出で立ちで、スケッチ用の低い椅子に座り、投げ出された足の間に、他の人より一回りも二回りも大きな画用紙。ぼろぼろのクレパスが無造作にほうり込まれた箱。
思わず「かっこええなあ。」
「尊敬」って「後ろ姿」を見て感じるもんだなあとつくづく思いました。
僕もそろそろ「後ろ姿」を意識する年齢になってきたのかもしれません。
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芍薬 |
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芥子 |
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芥子 |