彼岸花スケッチ

(東京都薬用植物園)
2003年9月24日


彼岸花の魅力は「彼岸」という名がが示す通り、この世にあって「あの世を想う」ことにあるのだろうと思います。
彼岸花が咲く道を歩いていると、どこか彼岸を歩いているような錯覚に捕らわれます。
たぶん、あの世にいく時はこんな道を通って歩いていくのだろうな。多くの人が、あの世に行った誰かを想い、そして、いつかくる死への門出に想いを馳せるのでしょうか。

homeに戻る     スケッチ表紙へ

45cm×74cm

描いている時に、年輩の二人連れが通りがけに、「なあー、今年のは、なんかこう、景気が良くないよな。こうぱーっとね。してないなー。」
「そうですよね。」と適当に生返事しながら、「彼岸花ってあまり、ぱーっと景気がいい感じの花ではないよな。」と思いながらも、
確かにひとつひとつあまり、花のつきが良くなくて、言わんとするところはわかるのですが、
彼岸花見て、景気が悪いと言ったのは、まあ、世相を繁栄しているのかも知れません。

   

背景が白いと、どうしても彼岸花が太陽の光を受けて輝く様子が表現できません。今度は黒地に描いてみようと思いました。

彼岸花そのものは、良く見る花ですが、今回、一番印象的だったのは、
彼岸花って別名「シビトバナ」なんて呼ばれていて、あまり縁起のいい花ではありませんが、
その理由が花にあるのではなくて、蕾にあるのではと思いました。
というのも、ちょうど地面からにゅーっと茎が伸びて来て、蕾が若干開いた時の感じが、地面から手が伸びて来ているような感じです

今回色鉛筆になっている水彩を使ったのですが、慣れないと以外と使いにくいかも知れません。、

おしべが中心から弧を描いて真円上に並んでいるところなど、花火を見ているような感じさえありました。

今回、花を描くにしては時間がかかりました。花の形が複雑で入り組んでいたからです。

全体的に、花のつきが悪く、見ている人たちの反応はいまいちでした。
埼玉の巾着田でみたときには、赤い帯がずっと続くようで、幻想的でしたが、やはり、きらいという人もいるみたいですね。