早起きして蓮畑に着く。大勢のカメラマン達も、すでに集まっている。用意してスケッチに取りかかる。

太陽が昇ってくる頃、カメラマン達は一斉に引き上げ、それまでの喧噪が嘘のように消え、あたりは静けさに包まれる。

花たちがその姿を隠してしまうまでが勝負。せっせとスケッチに励む。10時頃になると、多くの蓮たちが、花弁を固く閉じてしまう。

まだ、閉じていない花を探してスケッチをする。ふと気がつくと、昼が近づいているというのに、閉じる気配がない。

その瞬間、理解した。彼等は、明日、もう一度花を咲かせることがないということを。

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